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2019/06/27
100年前の明治時代、英国で作られ名古屋市に納入されたバルブは、
ちゃんと名古屋市仕様で作られていた!?
先月、名古屋市水道局の春日井浄水場様に行く機会がありました。
そこには、明治44年(1911年)製のバルブが置いてあります。
100年以上前に製造され、長年名古屋市で使用されたバルブです。
このバルブは、当時日本にバルブメーカーが無かった時代に
英国スコットランドのGlenfield社(現在は当社と同じAVKグループの1社でもあります)で
作られたものになります。
※当時日本の水道配管材料は主に英国から輸入されていました。
バルブには生産情報等の情報の鋳出(鋳造で文字を入れる)表示があります。
このバルブの鋳出表示は以下のものです。
表側
・八マーク・・・これは当時の名古屋の市章(名古屋市HPの説明ページへのリンク)で
水道業界では名古屋市水道局向けを表すものです。
・明治四十四年・・・和暦の製造年号
・1911・・・西暦の製造年号
・B1・・・モデルナンバー?※要調査です
裏側
・GLENFIELD&KENNEDY LIMITED・・・社名
・KILMARNOCK・・・会社のある英国スコットランドの地名
驚いたことに
和暦の表記があるということは、
この製品は日本向け専用に作っているのです。
それだけじゃなく、
八マークの表記があるので、名古屋市向けに作っています。
※名古屋市様HPより
当時のヨーロッパと日本を含めたアジアとの関係性や歴史から見ると私は、
「英国の大会社が遠く離れた日本の一都市向に、求められた仕様で製品を作った」
という事実に正直かなり驚きました。
当時Glenfield社の従業員は約2600人ですので、かなり大きな会社です。
当時、水道管メーカーやバルブメーカーが無い時代に、
GENFIELD社の製品が多く日本に輸入され使用されたことは以前から知っていましたが、
それは「現地仕様の製品」をそのまま輸入してきただけだと思っていました。
当社も製造メーカーなので分かるのですが、
鋳出し文字というのは、立体なので結構手間がかかります。
長期間使用する製品なので、
多少劣化しても、字がつぶれないように、はっきり見えるように、
角度や大きさを工夫する必要があります。
意味もわからない複雑な日本語を当時の大会社が手間暇かけて製品に入れてくれた事に、
製造者側の敬意が感じ、日本人として嬉しく思いました。
このブログを書きながら、ネットでGlenfield社の事を調べていたら、
なんと同時期である1910年発行のGlenfield社のdiary(ノベルティの1つだったのだと思います)を
英国雑貨店のWebショップで見つけました。
これは、さすがに私に「買えよ!」と言っているのだと思い即購入しました。
これ、私以外の人が買うことがあるのか?
と思える運命の一品です。
手元に来るのがたのしみです。
これら英国から輸入されたバルブは、後の日本国産水道用バルブの祖となりました。
それはもちろん当社製品の祖でもあるといえます。
自社製品や業界のルーツを探っていく事は良いものですね。
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